タイル造りの浴室が抱える問題

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10数年前まで、日本の住宅では多かったタイル造りの浴室。

お使いの方も多いかと思います。

しかし、現在新築される住宅のほとんどは浴室にはシステムバスを採用しています。

システムバスとは浴槽、壁、天井、ドアなどのパーツを工場で生産し、現地で各パーツを組み立てて施工するタイプの浴室です。

なぜ、タイル造りの浴室は作られなくなったのでしょうか。

理由の大部分は「コスト」です。先述の通り、パーツの生産を工場で行い、現地では組立てだけとなるシステムバスは、材料、施工費のコストを大幅にカットしています。

システムバスが、ほぼ1日で組み立て終わってしまうのに対し、タイルの浴室は最低でも1週間は必要です。

そしてもう一つ、実はタイル造りの浴室には心配事があります。

それは防水性です。

最初は漏れていなくても、長年使用している間に何度も地震の揺れを受けたり、毎日浴槽に張るお湯の重みなどを受ける事により徐々に亀裂が入る場合もあります。

毎日体を洗い流す浴室ですから、亀裂から水が漏れてしまえば、周囲にある土台や柱などが常に湿気にさらされる事になります。

また、木で作られた下地に直接モルタル、タイルを張っているため、通気も悪く、乾燥する事も困難です。

木材が湿気にさらされる事によって、腐りの原因となり、さらに湿気はシロアリなどの害虫にとっても好条件です。

実際、タイル造りの浴室を解体すると、土台の腐れや、シロアリ被害を受けている場合がとても多いです。

こういった事から、システムバスが選ばれるようになっていったのでしょう。

 

リフォームでも、タイル造りの浴室からシステムバスへの改築工事は非常に多いです。

システムバスの中には畳のように柔らかい床や、暖房、乾燥機能を持った商品もあり、転倒事故やヒートショック対策としても有効なリフォームになります。

手すりなどの取付も自在ですので、一度ご自宅の浴室を見直してみてはいかがでしょうか。